精神的ショックの大きい便失禁、意外な解決法とは?
~「コンチネンスサポーター養成研修会」に参加して
その3
排便については、色や形が健康のバロメーターになるため、排尿よりは意識をしている人が多いのではないでしょうか。
梶原敦子先生は、気持ちのいい排便の条件を、次のように紹介していらっしゃいました。
□回数/1日3回~3日に1回程度。ただし個人差が大きい。
□量/大人100~200g(食べる量に左右される)
□形/バナナ状かとぐろ状。(硬さはやや硬め~普通~やや軟らかめが望ましい)
□色/茶褐色から黄土色。※白い便、黒い便が続くようであれば要注意。
□多少のいきみでスムーズに出る
排便は、排尿以上に個人差が大きいため、毎日すべてに当てはまる人は少ないと思いますが、健康のためには、この条件を満たすよう生活習慣や食生活を見直すのがよいようです。
排便のトラブルといえば、便秘や下痢を思い浮かべます。これは年齢に関係なく、元々の体質や食生活の影響が大きく、日常的な便秘症や下痢気味で悩んでいる人も多いのではないでしょうか。テレビCMを観ていても、便秘解消や下痢を止める薬がたくさん宣伝されています。60代以上に多い排尿トラブルに比べると、広い世代で共感できるトラブルだと思われます。
ただ介護の現場では、便失禁という大きな問題もあるようです。たしかに介護を受けていない人でも、ノロウイルスなどにかかってしまった場合は、トイレに間に合わないほどひどい下痢になることもありますが、介護の現場では、それがより頻繁に起こるようです。原因は、加齢により肛門の筋肉が低下してしまりが悪くなる、極度の便秘で漏れ出す、神経系の病気、体が不自由でトイレに間に合わない、などがあります。
もし自分が便をもらしてしまったら・・・。想像しただけでも、とてもショックで、周囲の人にも申し訳なく、いたたまれない気持ちになります。それだけにいくら加齢や病気が原因だとしても、便失禁の問題は深刻で、当の本人の気持ちや、介護する人の負担を考えると、一刻も早く解決したい問題だという印象を受けました。
ただ意外だったのは、排尿トラブルのようにまずは泌尿器科の専門医に相談することが一番の解決策ではないということでした。梶原先生の介護現場での経験では、「生活リズムを整えることで、解決できるケースも多い」ということ。
では生活リズムを整えるために、どのような対策が実践されているのか。次回紹介したいと思います。
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