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幸年期講座潜入体験 第四話

健康維持には、身体の状態を記録することから始めましょう

女性ホルモンという女性の身体を守る女神さまがいなくなったあと、健康を維持するためにはどうすればよいか?

更年期をテーマにしたセミナーへの参加をためらっていた私ですが、参加することにしたのは、まさにそれが知りたかったからです。

というのも、「更年期世代に見られたくない」と言っておきながら恐縮ですが、私はすでに更年期、しかも45歳で閉経しました。「閉経するのは50代半ばごろ」と勝手に思い込んでいたため、予想外に早く訪れた閉経のショックは大きく、誰にもその事実を話せずにいました。しかし、現在48歳の私は、閉経から早3年。毎年受けている人間ドックの検査数値の一部は、閉経前後から急激に基準値超えに近づき、閉経にともなう自分の身体の変化にとまどいを感じていました。閉経して自分の身体はどう変わったのか、健康を維持して若さを保つにはどうしたらよいのか知りたくて、多少は本などで情報を得ていましたが、専門的知識のある人の話を実際に聞いてみたいという気持ちが募っていたのです。そこで、重い腰を上げて参加したのが、宮原先生のセミナーでした。

おかげで、知りたかった閉経後の身体の変化と対策について知ることができました。 閉経に伴う自分自身の身体の変化を振り返ってみると、月経不順が始まったころには、めまいやホットフラッシュを経験。幸いその後症状はおさまりましたが、先生がお話くださった閉経以降にかかりやすくなるという「骨粗鬆症」と「動脈硬化」のうち、動脈硬化については、前述した検査数値でその徴候が明らかになっていたのです。

その1つが、血圧の上昇です。若いころは低血圧で、最大血圧は常に100mmHg以下、最小血圧は50mmHg前後で、朝起きるのが辛かったほどでした(基準値は最大血圧130mmHg未満、最小血圧85mmHg)。ところが、月経が不順になり始めた43歳ごろから最大血圧が100mmHgを超えるようになり、最小血圧にいたっては、基準値の85mmHgに迫る勢いになってきたのです。

もう1つが総コレステロール値の上昇です。以前は150mg/dl前後(基準値140~199mg/dl)とどちらかというと低いほうでした。それが42歳ごろから上昇し始め、今では210mg/dlと、基準値を超えてしまっています。

いずれも数値が上昇し始めたころは、原因がまさか女性ホルモンの減少(つまり閉経間近)が関係しているとは知りませんでした。ただ、血圧やコレステロール値の上昇が動脈硬化を引き起こす原因になることは知っていたので、塩分や油分を控えめにして、意識して週1回は運動をするように心がけました。その結果、血圧は今は一応基準値内におさまりましたが、前述した総コレステロール値は基準値超えのままです。

まさに、宮原先生が指摘されるように、女神さまがいなくなったあとは、以前と生活は同じはずなのに、身体の中では知らぬ間に動脈硬化への階段を上がってしまっているということです。

宮原先生はセミナーで、動脈硬化の予防対策をはじめ、閉経後も健康を維持するためには「自分のからだ(身体)の状態を記録しましょう」「自分のからだの声に耳を傾けてみましょう」とアドバイスしてくださいました。その実践のため、先生が代表を務めるNPO法人HAPでは、自分の健康状態を記録してセルフマネジメントができる手帳を、「女性のためのおくすり手帳」として発行しています。手帳には、医療機関の受診記録と処方された薬の記入欄のほかに、食事記録や体重、その日の体調、定期検診の結果などを記入する欄が設けられています。

専用の手帳がなくとも、最近はスマートフォンなどのアプリに、無料でダウンロードできる健康管理ソフトもありますし、自分で簡単に月経の周期、体温、体重、血圧、食事記録などをメモっておくだけでも、健康状態を把握することができます。また、健康診断の結果は毎年捨てずにとっておき、数値の変化を注意しておくようにしましょう。数値の見方についてはまた改めて紹介しますが、自分で変化を読み取れるようにしておくと、自己管理がしやすくなります。そして、自分のからだの声を大切にして、自分と向き合う時間を少しでもとるようにしてゆく・・そんなひとときが私たちを支えてゆくのではないでしょうか?

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