更年期世代の便秘は腸内細菌が対策のカギ。
「おなかの中でよい便を育てる」意識を
便秘は、日常の女性のからだに関する悩みのなかでも常に上位にランキングするほどの大敵です。腸の蠕動運動や便意の低下などで排便の量が減り、便が腸に留まることで起こります。ひどくなると、食欲不振や吐き気、肌荒れや肥満の原因にもなります。更年期が近づく年齢になるととくに、加齢のため腸の働きが鈍くなり、便秘がひどくなるケースが多いようです。
だからといって、薬にばかり頼るのは考えものです。宮原先生は、「便秘の薬を長期間飲んでいる女性があまりにも多い」と嘆いていらっしゃいます。便秘からくる症状がひどいときには止むを得ませんが、「症状が改善しても飲み続ける人が多いのが問題」と指摘します。便秘の薬の中には、飲み続けていると効き目が弱くなるものもあり、自然に薬の量が増えていくのです。そのため先生は、「便秘の薬から脱出しましょう」をキーワードに、薬なしで便秘を解消する方法についても、セミナーでお話されています。
対策の1つは「便意をもよおしたら我慢しないこと」。排便反射は、排尿反射と違って20分から30分ほどしかもたず、比較的短いのです。忙しいからと後回しにすると、排便の機会を逃してしまします。朝起きたらすぐコップ一杯の水を飲んで腸を刺激し、姿勢をただし、軽いストレッチなどでからだを目覚めさせ、便意をもよおしたらすぐにトイレに行くことがポイントです。
対策の2つめは「農作物を育てるようにおなかの中でよい便を育てること」。よい便が育てば、スムーズな排便につながるからです。腸の働きが低下した更年期世代にとっては、腸内細菌の働きを高めることが便秘解消のカギになります。腸内細菌を増やすためには、ヨーグルトやサプリメントなどを上手に利用することも解決策のひとつ。。同時に、腸内細菌のエサとなるオリゴ糖をとって腸内の環境を整えます。便の水分を増やすための水分、腸壁を刺激する食物繊維を含む食べ物も意識しながら便を育てます。
排便を促すためには、腹式呼吸やストレッチ、ロコモ体操などの運動も効果的です。
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