更年期は、心構えと準備があれば怖くない!
宮原先生は、更年期をテーマに講演するため全国を飛び回っているときいていましたが、実は最近は、年代別のコンテンツで講演することが増えたそうです。まだ、更年期までには時間のある女性たちは、どんなことに気をつけ、きたるべき更年期に備えればよいのでしょうか──。今回は、30代前半~後半の参加者が主流のセミナーの様子をレポートします。
たまたま私の隣に座った女性に「まだお若いのになぜ?」と、セミナーに参加した理由をうかがうと、「母親の更年期の症状がひどく、自分もそうなるのではと心配で」との答え。そのため、更年期のセミナーに参加することには抵抗はまったくないとのことで、有益な情報を得て帰りたいという意欲を感じました。
宮原先生のセミナーではのっけから、「更年期を恐れる必要はまったくありません」と、彼女の不安を取り除くような力強いメッセージ。母親の症状が重かったからといって、必ずしも娘に同じ症状が出るとは限らず、更年期の症状や発症時期、期間などは人それぞれ。症状が出てから対策を考えればよいという宮原先生のお考えからです。それよりも、「若い世代は、子宮頸がん検診と乳がん検診を受けるなど、自分の今おかれているステージに注目して健康づくりや、リスク回避に努めて欲しい」ときっぱり。子宮頸がんはマザーキラーとも呼ばれるほど、ちょうど子育て中に罹患する女性が多い疾患です。1日7人もの女性が死亡しているがんですが、検診による早期発見が可能ながんともいえます。日本における子宮頸がんの検診受診率は非常に低いのが現状です。乳がんは女性の発症率が1位のがんです。ただし、どちらも早期発見できれば治療しやすいため、定期的な検診が必須なのです。
また甲状腺ホルモンは、更年期世代に差し掛かったころ更年期様症状が疑われる場合には、一度検査しておいたほうがよいとのこと。症状が更年期に現れる症状と似ているため、もし甲状腺に異常があれば、早めに治療しておいたほうがよいからです。そのうえで、「日々の食習慣に気をつけ、薬に頼らない生活を心がけること」、そして「かかりつけの婦人科(女性のヘルスケアを専門とする婦人科クリニック)をもつこと」を提唱されました。
かかりつけの婦人科がないと、更年期の症状が出てきたときに、症状ごとにいろんな科を受診するはめになる可能性があるからです。かかりつけの婦人科があれば、更年期が心配な年齢になったときに、「更年期世代になりましたので、症状の軽減や今後の病気の予防や早期発見のために受診しました」といえば、ホルモンの値など更年期を見据えたメディカルチェックを元に、診察をしてもらえます。その結果や症状を相談しながら、早めに対処でき、症状がひどくなる前に治療することも可能です。ただ中には、産婦人科といっても女性のヘルスケアや更年期を専門としていないために、対応してくれないところもあるとか。宮原先生は、「その場合は見切りをつけて、親身になって相談にのってくださる先生を探しましょう」と、おすすめの検索サイトも教えてくださいました。
※日本女性医学学会
そのうえで先生は、更年期の体の変化や注意点について、若い世代も知っておくべき情報を伝授。事前に更年期の心構えと準備についてお話を聞いていたので、余計な思い込みや不安なく、更年期の問題を真正面からとらえられたのではないかと、思いました。
そして最後に「たとえ症状が辛かったとしても、10年過ぎれば元に戻りますから大丈夫」とのメッセージに、参加者みんな、どこかホッとしたような表情に。
「そうか、更年期の辛い症状は一生続くものではないんだ」と、更年期真っ只中の私にとっても、ホッとさせてくれる一言でした。
「いざ!! 幸年期(更年期)講座へ。山川美月が潜入体験。」トップへ