メノポーズについて学びましょう。
【更年期のメカニズム】
ちゃんと知りたい体のしくみ。そもそも更年期とは?
[更年期は約10年間]
「更年期」は、閉経前の5年から閉経後の5年にわたり体が移り変わる時期のこと。医学的には、妊娠できる年齢から妊娠できない年齢への移行期とされ、45歳~55歳位までをさします。
[女性の体はホルモンとともに変化]
思春期より、卵巣から女性ホルモンが分泌されはじめると月経が始まり、妊娠が可能になります。しかし、40歳を過ぎる頃から卵巣の機能が少しずつ衰えだし、卵巣から出る女性ホルモンが低下すると、順調だった月経周期が乱れ、やがて卵巣の働きが停止して閉経を迎えます。
【月経のおさらい】
卵巣で卵胞が成熟し、排卵すると黄体が形成されます。一方、子宮は受精卵の着床にそなえて内膜が増殖しますが、受精・妊娠がおこらなければ内膜がはく離し、月経となって出血します。これは、約28日間のサイクルで、規則的に卵巣から分泌されるエストロゲン、プロゲステロンなどの女性ホルモンによってコントロールされているのです。
女性の多くは40歳を過ぎた頃から卵巣の機能が衰えてきます。50歳前後になると、月経を周期的に起こすための、調和のとれた卵巣での女性ホルモンの産生分泌が行われなくなるために、月経は消失し、閉経となります。女性ホルモンは閉経後数年で絶対的に不足した状態になります。
卵巣からホルモンが出なくなると、下垂体ホルモンである卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)の、血中濃度が高くなり、ほてり、のぼせ・発汗、不眠など、更年期障害といわれる症状の発現につながるのです。
【こころのストレス】
卵巣機能の衰えからくる女性ホルモンの低下に伴う身体の変化に加え、閉経を迎える50歳前後の女性をとりまく環境や性格などの因子がからみ合い、心のストレスとなって更年期障害に関連するともいわれます。
生活環境では、子供の独立、夫との関係などを背景に、親の介護問題なども浮上し、家庭内での大変動が同時に押し寄せることも珍しくありません。閉経を機にこころの中に、ぽっかりと穴があいたような空虚な気持になる空の巣症候群に襲われることもあります。
また、更年期障害により不眠などが続くと、身体的な疲れから、さらにこころのストレスを大きくさせるのです。
個人差ある閉経年齢
日本女性の平均閉経年齢は50.5歳となっていますが、その個人差は大きく、30歳代の後半に閉経となる場合や、逆に55歳を過ぎても閉経にならない場合もあります。一般的には、45歳以上の女性で1年以上月経がなければ閉経と考えるべきでしょう。
閉経は血液検査により、卵胞刺激ホルモン(FSH)、エストロゲン(E2)の値などを測定して確定されます。女性の半数は45~50歳までに閉経を迎え、25%は45歳以下で、25%は50歳以降で閉経を迎えます。日本女性が迎える初経年齢は若くなる傾向がみられますが、閉経にかぎっては、国、地域、人種などの差がなく、すべてほぼ50歳前後となっています。
こんなに変わる閉経前後のからだ。
【こんな症状が出やすい】
更年期には、女性ホルモンの変動が著しくなり、やがて起こる急な減少にともない、からだとこころにはこんな諸症状が出やすくなります。また、この時期には、何らかの病気によりこのような症状が現れることがありますので、注意が必要です。