【日時】平成25年3月23日(土)/舞ビジネススクール
女性の健康出前講座 更年期講座at鹿児島
・鹿児島の女の人が元気に生きていくために
・鹿児島の介護・医療を支える人の健康のために
講師は、宮原富士子先生。当日のプログラムは次の通りです。
1)更年期における体の変化や、更年期を超えて元気に生きるための基礎知識
2)セルフモニタリング、セルフケア 月経・閉経など基礎用語の知識、自己乳房チェック、骨盤底筋体操、排尿日誌、睡眠記録
3)食習慣アセスメントとアドバイス(BDHQ)、健康食品・サプリメント
4)ロコモチェック、ロコトレ
女性の健康支援にかかわる保健医療者向けの技術移転講習会ということで、「女性のAgingと健康づくり編」 のスライドを利用して講演が進められました。
女性は、生まれてから月経がはじまるまでの10年前後。思春期~性成熟期~閉経までの約30数年間。 そして、閉経後の約40年間。閉経後が一番長いのかもしれない。50歳までの体をいかに長持ちさせるか。 賢くメンテナンスをしていかなければならない。加えて、生殖能力を失って以後の生命を保障されているということは なにか生物としての使命が与えられているのではないだろうかと思います。 42~56歳で9割の日本女性は閉経を迎える。健康相談などの際、『平均50歳で閉経』と言わないことが大切だという。 45歳で閉経する人もいれば、54歳で月経のある人もいるが異常ではない。個人差があるということを念頭に置いて 優しい対応が望まれます。 また、左右の卵巣が交互に排卵しているというのは間違いで、ランダムに排卵しているということも知りました。
骨粗しょう症についての話の中では、日本は、骨粗しょう症薬の種類が豊富で世界一の品ぞろえにもかかわらず、 骨折率は世界一という一見矛盾した現象が起こっている。コンプライアンスは良好でも、アドヒアランスが伴っていない のが原因と宮原先生。骨折率が高い原因として、骨粗しょう症の初診年齢が世界では50歳代であるが、日本では60歳代。 初期対応が遅れるせいでしょうか。骨粗鬆薬を飲んでいても、その方に合った筋力アップの運動方法を指導して日常的に 持続できなければ、結局、転んで骨折になりかねない。 娘には、10~15歳までに垂直方向の運動をさせ、カルシウムやビタミンDが豊富な食事を意識してとり、 20歳までの骨貯金をする。母親の責任は重大だと感じました。
排尿障害についての話の中で、男性の尿道約20cm。女性は3cm(4~5cm)。あらためて、数字で聞くと男女の違いに 驚きを感じました。腹圧性尿失禁と過活動膀胱(切迫性尿失禁)、心因性膀胱の違いを正しく知って対応する。 どこでもできる骨盤底筋運動や排尿日誌のつけ方を患者個々にあった方法で指導するのも大切です。 排尿障害を訴える女性は大抵、膣も乾燥していることが多く、相談しづらい性交痛の悩みも抱えている。 膣は、水分依存性の膜。薬局店頭にさりげなく、リューブゼリーを置いておこう。
自己乳房チェックの仕方も実演講義。毎日、入浴時に鏡の前で万歳して観察。乳房を洗う時にしこりチェック。 ロコモ体操の実演もあり、待合室でも簡単にロコトレ。お薬待ちの間に簡単なトレーニングができるとよいですね。
不眠でお悩みの方に、こんな言葉をかけてあげたらどうでしょう。 『寝る直前まで、バタバタと仕事をせずに、入眠前は一時間ほど自分のことをゆっくりとしましょう』
食事指導もアセスメントをして、個々に合わせた栄養バランスの提案が大変だという時は、とりあえず、 塩分を控える。まずはこれで初めてみるのもよいでしょう。塩分チェッカーを在庫しようかと思案中です。
歯切れの良い口調でテンポよく進んだ講習会。 参加者は薬剤師9名。医師(精神科)1名。看護師(産婦人科)2名。その他1名。 大塚製薬のニュートラシューティカルズ事業部 Soylutionプロジェクト担当の北野祐子さんから エクオールの情報提供もありました。秋の発売開始が楽しみです。 鹿児島でのMeet The HAP 次回は、平成25年11月16日を予定しています。
(あすなろ薬局 岩下弘美)