HAP活動レポート

Meet The HAP福岡(第5回) 参加レポート

【日時】 平成22年3月14日(日)【場所】九州中央病院講堂

Meet The HAP 福岡(第5回)(pdf)

ウィメンズヘルスイノベーション

 2009年から、新しいステージへと事業活動を展開し始めた 女性の健康支援のためNPO法人 HAP(Healthy Aging Projects for Women)のミーティングが 福岡で初めて開催された。

 2009年11月の御茶ノ水での第1回ミーティングから、八王子、銀座を 経て、今後、札幌でも開催予定だ。 「女性医療ってどんな領域?」興味関心のある医師・コメディカルに参加を呼びかけ、 ウィメンズヘルスケアに関する情報共有と相互理解を促進するためのセミナー。

 HAPに共感し、HAP Medicalサポートとなり、HAP Stationの構築を目的としている。 今回、31名の参加者の中の3分の2は薬剤師。遠くに足を運ばなければ(ほとんどが東京)聞けなかった 医療の最新情報をHAPでは聴ける。HAPではどこでも、たとえ少人数でも勉強会の開催が可能だ。 薬剤師は本来勉強熱心ではあるが、聞いているけど、out putする人が少ない。 HAPでは、積極的に情報発信できるHAP Medicalサポーターを育成していく。(以上、宮原先生のレクチャーから)

 

佐久間一郎先生の講演。

 「アメリカでは、循環器内科でHRTをする。内診までできる」というオープニングの話に、へぇ~と引き込まれた。 2007年動脈硬化性疾患治療ガイドラインは、日本人の脂質異常症治療のすべてをまかなえないようだ。 「どういう人が危険かを診ていかなければならない」 「HDL-Cが100を越えていも心筋梗塞を起こす人がいる」 「LDL-C値やHDL-C値の数値だけでなく、LDL/HDLも参考に」 ここ数年の関連学会等でLDL-Cの中でも超悪玉LDL-C(sd-LDL)の存在を知ってはいたが、 今回、HDL-Cの中にも悪玉があることを知った。見掛けの数値に惑わされてはいけないと思った。

 他にも、小腸コレステロールトランスポーター阻害剤は、高齢者に副作用が多く出現していることや、  腎機能低下者へのスタチン、フィブラート製剤の併用の仕方。n-3系脂肪酸の話。女性と糖尿病。 レビー小体型認知症の話。アリセプトで副作用(イライラして、怒りっぽい。落ちつかない等)が 目立ってきたら注意して欲しい。アルツハイマー型認知症でなく、レビー小体型認知症かもしれない。 1時間ではとても足りないくらい盛りだくさんの役に立つ情報をin putしていただいた。 これをout putしないわけにいかない。

  佐久間先生のクリニックでは、医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、運動療法士がチームを組み、 患者の行動変容を起こし、治療薬を使用しなくとも、BMIや血液検査の数値の改善をみている。 メディカルスタッフが患者のQOL向上のため、同じ目標に向かっていくチーム医療のすばらしさを教えてもらった。

 野崎雅裕先生も、「更年期外来における医師とメノポーズカウンセラーは、同一の女性を健康へと導き幸福感を 与えるという共同作業において同じ方向を向いていることが重要である」と熱く語っていらっしゃる。 医師とコメディカルスタッフがベクトルの向きをそろえる!!ことが大切。

  平成22年3月28日(日)に札幌でHAPが開催されます。佐久間先生の地元です。再び、ご講演されますのでお楽しみに。

岩下弘美(薬剤師/あすなろ薬局)

・イベント写真

「女性の健康支援」「ウイメンズヘルスケア」私たちの活動で応援します。
この法人は、女性のライフステージに応じた健康管理と疾病管理(以下「ウィメンズヘルスケア」という)の改善とその向上を図るための情報を、広く一般女性および医療ならびに関連領域に従事する者に伝え、社会にウィメンズヘルスケアのあり方を提言する。それらの活動により女性のQOL向上に貢献することを目的とする。併せて、地域包括ケアに関わる医療・介護職の人材育成や調査研究により、老若男女が協働できる仕組みを提言し、地域住民の健康維持・増進に寄与することを目的として活動する 特定非営利活動法人です。